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2017.01.13 Friday  | - | - | - | 

抗うつ薬の続け方・止め方

うつ病になり、もう1年になります。病気は良くなったり悪くなったりを繰り返しています。仕事は3か月間、休みました。いくつも薬を飲んでいます。口が乾いたり、眠くなったり、10埖世辰燭蠅靴泙靴拭I作用だと思います。薬を飲んでいるから病気が治らないのではないかと思うことがあります。いったいいつまで薬を飲めばよいのでしょうか。担当の先生にきいても、病気が良くなるまでというばかりで、具体的な期間を言ってくれません。将来を考えると切望的な気持ちに襲われることがあります。(32歳、男性)

 

「早く病気が治し、薬を止めたい気持ち」はどの患者さんも抱いていることと思います。なかには薬を飲んでいるうちは病気であるからと、途中で止めてしまう方もいらっしゃいます。

 

それでは、どのくらい、抗うつ薬を継続すべきでしょう。海外のエビデンスによりますと、寛解後、半年間以上は急性期と同量で継続すべき、とされています。さらに、うつ病を繰り返している方は2年間以上、急性期と同量で継続すべき、とされています。初めてうつ病を経験した方の50-85%は2-3年以内に再発を経験すると言われています。従って、焦らず、ゆっくりと回復を見守りましょう。ただし、再発を繰り返している方は双極性障害の可能性が高いため、診断の見直しが求められます。

 

双極性うつ病は1.過小診断されやすい、2.難治例が多い、3.躁転リスクがあるため、一層の注意が必要です。リチウムをはじめとした気分安定薬を中心とし、抗うつ薬は必要最小限にとどめ、躁転に注意します。気分安定薬はほぼ生涯服用を必要としますので、病気や薬を受け容れ、上手く付き合っていく姿勢が不可欠です。どうぞお大事にして下さい。

 

 

銀座泰明クリニック

 

2016.12.11 Sunday 07:29 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

抗うつ薬はいつまで飲むか?

うつ病になり3年になります。もうすっかり良くなりました。しかし薬を止めたら1度、再発しています。またあの時の苦しみを思うと怖いです。かと言っていつまでも薬を飲んいると病気が治らないようで悲しいです。どうしたらよいでしょうか?(40代、男性)

うつ病が「すっかり良くなったとのこと」よかったですね。良くならない方も3割方いらっしゃるといわれているものですから(米国STAR*D研究)喜ばしい結果と思います。ただし、うつ病は再発・再燃しやすい病気ですから油断大敵です。1回発症した後、2回目のリスクは60%、3回目のリスクは70%・・・と高まるのです。再発のリスクファクターとしては以下が挙げられております。

・複数回の既往歴
・重症度
・若年発症
・家族歴(特に気分障害)
・併存疾患(慢性の身体疾患など)
・否定的な認知スタイル


従って、以上のようなリスクを念頭において薬の種類や量、間隔などを検討していくことが重要です。また、患者さんの年齢、性別、職業、価値観といった様々な背景も関係してくるでしょう。つきましては、その都度、主治医と病状や生活についてご相談されることをお勧め致します。さらに、お薬のみならず、前向きで柔軟な物の考え方や無理のない生活の仕方など(認知行動療法)なども心がけましょう。どうぞお大事にして下さい。




2012.08.30 Thursday 05:49 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

雇用保険

うつ病により遅刻や欠勤が多く、会社の業績も悪いため、退職することになりました。子どもはまだ小さく、生活費や養育費をどうすればいいか途方に暮れています。(40代、男性)

うつ病のため退職になってしまうとのこと、お見舞い申し上げます。経済的な困窮が病状を再燃させてしまうのではないかと憂慮されます。つきましては、「雇用保険」を申請しましょう。

「雇用保険」とは、一般的に「失業手当」とも呼ばれ、それまでの給与の5-8割が1年間支給されます。就労できない場合は最長3年間まで支給されます。支給対象となるのは、退職となるまでの2年間のうち1年以上、雇用保険に加入していた方です。倒産や解雇の場合は退職となるまでの1年間のうち半年間以上加入している必要があります。

支給の申請は、退職して4週間以内に管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行いましょう。職場の発行した「離職票」、「雇用保険被保険者証」、身分証明書、写真、印鑑、預金通帳などが必要になります。

ただし、退職後に傷病手当金を継続受給している方や病状回復していない方は受給できません。失業とは、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」と定義されているためです。したがって、躁うつ病や統合失調症の治療中に受給する場合は、精神障害者福祉手帳または就労可能である内容の「主治医の意見書」が求められます。規定の書式があるため、ハローワークの窓口へお求め下さい。

また、雇用保険を受給すると、離職者を対象の公共職業訓練を受けられます。これは離職者が再就職を速やかに行えるよう、都道府県や独立行政法により、新たな知識や技能を身につけるために設けられたものです。3ヶ月〜1年ほどで、ビジネススキルやホームヘルパーなどを学べるようになっています。

詳しくは、管轄のハローワーク、病院の精神保健福祉士、身近の社会保険労務士へご相談しましょう。速やかな就労と安定した継続を応援しております。

銀座泰明クリニック

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2011.12.02 Friday 16:43 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

傷病手当金

うつ病ですが、具合が悪く、朝起きられません。このため、しばらく休職することになりました。中小企業で、給料は出ないそうです。どうすればよいでしょうか?(30代、男性)

うつ病のため休職・療養されるとのこと、心よりお見舞い申し上げます。休職の期間、会社によっては給料が満額や8割分など支給されるところもありますが、そのような補償のない方々のために、「傷病手当金」という制度があります。

「傷病手当金」とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。 ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。

支給額は、病気やけがで休んだ期間、一日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額です。なお、働くことができない期間について、ア、イ、ウに該当する場合は、傷病手当金の支給額が調整されることとなります。

ア、事業主から報酬の支給を受けた場合
イ、同一の傷病により障害厚生年金を受けている場合(同一の傷病による国民年金の障害基礎年金を受けるときは、その合算額) 
ウ、退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合(複数の老齢給付を受けるときは、その合算額)

ア〜ウの支給日額が、傷病手当金の日額より多いときは、傷病手当金の支給はありません。 ア〜ウの支給日額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額を支給することとなります(以上、社会保険庁より)。

具体的には、全国健康保険協会の都道府県支部、または健康保険組合へ申請します。会社の総務担当者が代行してくれることもあります。そちらから傷病手当金の申請書を受け取り、自分で記載するとともに、事業主の証明および主治医の意見も必要になります。

また、休職が長期となり、残念ながら退職することになった時は、健康保険の任意継続(2年間、申請は退職して20日以内)か国民健康保険に加入します。傷病手当金の支給開始から1年6ヶ月までは、退職しても支給を受けることができます。

さらに、病気になった責任が明らかに労働条件・環境による場合は、労働基準監督署へ労災申請をすることもできます。退職しても労災認定された場合は、治癒するまで休業補償が得られます。

以上の制度を利用し、十分療養して、再び就労されることを応援しております。どうぞお大事にして下さい。

銀座泰明クリニック

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2011.08.30 Tuesday 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

うつ病の治療薬について

うつ病が良くならず、いくつかのクリニックを受診しました。ところが、そのたびごとに薬が異なりました。うつ病の治療薬にはどのような違いがあるのでしょうか?(30代、男性)

うつ病がなかなか良くならずお困りのご様子、お見舞い申し上げます。最近は精神科のクリニックや新薬が次々と登場し、百花繚乱の様相を呈しています。しかし、それぞれのクリニックで同じ診断・治療が行われているとは限らず、複数のクリニックや精神科医を受診された際、戸惑ってしまうことでしょう。そこで、今回はうつ病の治療薬について改めてご説明いたします。



まず「うつ」と一口に言っても「うつ状態」を呈する疾患は上記のとおり、うつ病気分変調症(抑うつ神経症)、双極性障害(躁うつ病)、適応障害、といくつもあります。その他、統合失調症の前駆症状 (Prodromal syptom) や発達障害の二次症状(重ね着症候群)などを加えると、その種類や組み合わせはさらに増えます。したがって、現在の「うつ状態」がどのような経過を経ているのか的確に診断しないといけません。

うつ病ならば抗うつ薬を服薬し、休職・静養すれば改善します。しかし気分変調症(抑うつ神経症)や適応障害の場合はカウンセリングや環境調整などを行い、本人の考え方や周囲の関わり方を変えていく必要もあります。

また双極性障害の場合は、抗うつ薬よりも気分安定薬 (Mood stabilizer) を中心に服用し、うつを治すより、むしろ軽躁状態を抑え、「低目安定」こそが「無難な人生」のであることに気づくことが望まれます。



うつ病(軽症・中等症)の治療アルゴリズムは一例として上記のように定められています。まず、SSRI/SNRI という抗うつ薬を少量から開始し、一定の改善を認めるまで増量します。必要に応じて少量のベンゾジアゼピン(抗不安薬・睡眠薬)を併用します。4-8週を経過しても無効な場合や十分に有効といえない場合は、他の抗うつ薬へ変更したり、リチウムを追加して効果増強 (Augmentation) を試みたりします。但し、うつ病だからといってむやみに抗うつ薬を増量することはせず、休養や環境調整を前提とすることが大事です。また副作用に注意しながら必要量まで増量しますが、多剤・大量処方とならないように注意することも大事です。


抗うつ薬は上記のように分類されています。「三環系」とは3つのベンゼン環を特徴とした化学構造に由来し、TCA (Tri-Cyclic Antidepressant) とも呼ばれます。1960年代から発売され、既に50年以上も経過していますが、強力な効果により、現在でも現役として活躍しています。強迫を伴う場合にはアナフラニール、不安・焦燥の強い場合はトリプタノール、意欲低下の強い場合はノリトレン、妄想を伴う場合にはアモキサン、そして三環系のプロトタイプであるトフラニール、などが用いられます。ただし、副作用(口渇・便秘・排尿困難:抗コリン作用、眠気・立ちくらみ:抗α1作用)が強く、過量服薬 (Over dose) すると心毒性を生じるため、第一選択 (First choice) とはしがたいのが実状です。

「四環系」もその化学構造に由来し、1980年代から発売されています。三環系の副作用をマイルドにしたことが特徴ですが、効果もマイルドなため、SSRIやSNRIの陰に隠れがちです。不眠・不安を認める場合にテトラミド・テシプール、意欲低下を認める場合にルジオミールが選択される傾向にあります。

三環系の副作用を軽減し、ある程度の効果を保持した新しい抗うつ薬が SSRI (Selective Serotonin Reuptake Inhibitor) や SNRI (Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor) です。SSRIは脳内のセロトニンの働きを高めることで、不安・緊張、衝動性を改善します。強迫に効果的なルボックス・デプロメール、パニックに有効なパキシル、バランスの良いジェイゾロフト、さらに近日中にレクサプロが新発売されます。SNRIはさらにノルアドレナリンの働きも高め、意欲を向上させます。肝臓へ負担をかけないトレドミン、抗うつ・不安作用ともに強いサインバルタがあります。SSRI, SNRIとも上記の抗コリン作用や抗α1作用に伴う副作用はあまり生じませんが、SSRIは嘔気・下痢、性機能障害、トレドミンはそれに加え血圧上昇・頻脈、排尿困難を生じます。

NaSSAはNoradrenergic and Specific Serotoninergic Antidepressantの略で、レメロン・リフレックスが相当します。これまでの抗うつ薬がシナプス前部のトランスポーター阻害により効果を発現していたのに対し、NaSSAは 自己受容体α2受容体を阻害し、ノルアドレナリンとセロトニンの放出を促進することで効果を発揮するのが特徴です。このため効果発現が速く、SSRIに生じた嘔気・下痢、性機能障害を認めませんが、強い抗ヒスタミン作用により眠気や体重増加を生じることがあります。


以上をまとめ簡略化・一覧化したのが上図です。この他に頻用される薬剤としてドグマチ―ル・アビリットやデジレル・レスリンなどがあります。ドグマチール・アビリットはベンザミド系抗精神病薬に分類されますが、少量で抗うつ薬、多量で抗精神病薬として働きます。また制吐作用や胃十二指腸潰瘍の治癒促進作用もあるため、SSRIの副作用薬も兼ねて併用されることがあります。しかし抗ドパミン作用による錐体外路症状(振るえやこわばり等)や高プロラクチン血症(乳汁分泌、月経不順)、食欲亢進・体重増加などに注意する必要があります。デジレル・レスリンはシナプス前部のセロトニン・トランスポーターおよびシナプス後部のセロトニン2受容体を阻害し、抗不安・鎮静作用も生じます。これによりトリプタノール、テトラミド、レメロン・リフレックスと同様に、睡眠薬(ベンゾジアゼピン)の代替として用いられます。

しかし、全てのうつ病が容易に改善することはなく、抗うつ薬が無効または十分な効果を認めない場合も少なくありません。アメリカの大規模研究 (STAR*D) によると、初回のSSRIで寛解に至ったのは3割程でした。その後、7割の対象に、他のSSRI/SNRI、三環系、リチウム、甲状腺ホルモン、認知療法などを計4段階にわたり行いました。それでも残念ながら3割程の方は寛解に至らなかったといいます。この背景には双極性障害や適応障害の混在といった診断上の問題も指摘されています。したがって、遷延した「うつ状態」には診断・治療の両面から、あらゆる可能性を考慮する必要があります。それには、医師、看護師、薬剤師をはじめ、治療に関わる全ての方々と十分な相談を重ねていくことが不可欠です。(参考、今日の治療薬2011・南江堂、治療薬マニュアル2011・医学書院、ほか)
2011.07.10 Sunday 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

うつ病と性機能障害

うつ病の治療を受けはじめ5年になります。現在うつ病は落ち着いていますが、夫婦生活で問題があります。実は、ED(Erectile Dysfunction 勃起障害)で、うまくいきません。妻はそろそろ子供が欲しいと言うのですが、毎回期待に応えられません。うつ病になってからこのような状態です。どうすればよいでしょう。(36歳、男性)

ED(Erectile Disorder 勃起障害)で長らくお悩みとのこと、お見舞い申し上げます。性機能障害(Sexual Dysfunction)は深刻であるにもかかわらず、主治医にもなかなか相談できないのが実情のようです。銀座泰明クリニックにおいても、治療がはじまり何年か経ちようやく相談したという方が少なくありません。



性機能障害はうつ病および治療薬の双方で生じます。うつ病になると食欲や睡眠に障害が生じるのはご存じでしょうが、性欲も低下します。うつ病の本質が生気的な感情の低下ですから、性欲も低下するのは当然でしょう。逆に回復の指標として、性欲が戻ってきたかは良い目安になりますが、日常の診療でそこまで話題にされることは少ないと思います。

病気に加え、治療薬でも性機能障害が生じるのは困ったことです。特に最近はSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor 選択的セロトニン再取り込み阻害薬)により、30〜50%の患者さんが性機能障害に悩まれているといいます。SSRIはそのセロトニンの神経伝達により、これまでのTCA(Tri-Cycric Antidepressant 三環系抗うつ薬)よりも性機能障害を生じやすいと考えられています。詳しい神経学的な機序は分かっていません。

具体的な症状は、性欲・興奮・絶頂、勃起・射精(男性)の全過程において認められます。女性でも前者が生じますが、男性の後者に比べ症状が顕著でないため、訴えは少ないです。勃起・射精は男性性の象徴ともとらえられるため深刻で、そのための治療薬も用意されています。

注意すべきこととして、うつ病や治療薬の他にも性機能障害を生じる原因があります。タバコやアルコールのような嗜好品、糖尿病や高血圧のような病気、胃潰瘍薬やホルモン剤などの治療薬も原因になりますし、夫婦不仲や別居生活のような心理・社会的要因も注意しなければなりません。

治療としては、まずはSSRIの減量、休止 (drug holiday) が挙げられます。しかしうつ病が増悪しては元も子もありませんから、主治医と相談の上、慎重に行いましょう。性機能障害をきたさない抗うつ薬として、テトラミド、リフレックス・レメロン(商品名)などがあります。しかし眠気や肥満などの副作用を生じる抗うつ薬でもありますから、これも主治医と相談し、メリット・デメリットをよく検討しましょう。

最後に、ED治療薬の使用があります。バイアグラ・シアリス・レビトラ(商品名)などが有名です。ただしこれらは勃起を改善しますが、性欲は亢進しません。性欲を亢進させるには、ブプロピオン(一般名)のようなドパミン再取り込み阻害薬がありますが、日本国内では承認されてなく、依存・乱用の恐れもあることから慎重な態度が求められることと思います。

以上、うつ病と性機能障害についてご説明いたしました。多くの方が悩まれているものの、なかなか診察室で話せないことと思います。かと言って我慢したり、不法な薬を使用したりしては、健康や安全の被害を生じてしまいます。次回の診察日に、少し勇気を出し、「実は・・・」と相談されてみてはいかがでしょう。どうぞお大事にして下さい。

銀座泰明クリニック
2011.06.19 Sunday 19:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

妊娠と服薬について

20代の時から鬱とパニックで薬を飲んでいます。昨年、結婚したので、そろそろ妊娠を考えています。妊娠中は薬をどうすればよいでしょう?(32歳、女性)

ご結婚おめでとうございます。妊娠においてはできる限りお薬を止めたいですね。妊娠と服薬について以下にお答え致します。

まず、受精する前に薬の影響を受けた卵子は受精をせず、受精をしても着床しなかったり、流産したりします。その後の、妊娠3週末までも影響を受けた受精卵は同様の経過をたどります。

また、男性の精子も薬の影響を受けた場合は受精をせず、受精をしても着床しなかったり、流産したりします。これまでに、向精神薬による男性の妊娠に対する影響は指摘されていません。


次に、妊娠4〜7週、この時期が最も危険な時期です。上記の通り、妊娠4〜7週は胎児の神経・循環器・消化器・四肢などの器官形成期で、形態奇形を生じる臨界期と言えます。つきましては、原則的に服薬を中止します。

その次、妊娠8週〜は比較的、危険度は減少しますが、まだ神経の発達、口蓋の閉鎖、生殖器の分化などが生じており催奇形性をはらんでいますので、服薬は中止します。

妊娠16週〜妊娠中期に入ります。器官形成は終了していますが、神経・精神の発達は妊娠期間を通じて行われますので、一応の注意が続きます。

このように、妊娠初期(〜16週)を中心に服薬は中止すべきです。ただし、癲癇(てんかん)や統合失調症のように服薬を中止することで、神経・精神の症状に重篤な悪化を招き、妊娠の継続が危ぶまれる際は、服薬に伴うリスク・ベネフィットを十分に検討し、総合的に判断いたします。

詳しくは、主治医と相談の上、計画的に処方の減量・中止しましょう。そして無事に妊娠・出産されることを祈念しております。

銀座泰明クリニック
2011.05.22 Sunday 16:27 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

雇用保険

うつ病により遅刻や欠勤が多く、会社の業績も悪いため、退職することになりました。子どもはまだ小さく、生活費や養育費をどうすればいいか途方に暮れています。(40代、男性)

うつ病のため退職になってしまうとのこと、お見舞い申し上げます。経済的な困窮が病状を再燃させてしまうのではないかと憂慮されます。つきましては、「雇用保険」を申請しましょう。

「雇用保険」とは、一般的に「失業手当」とも呼ばれ、それまでの給与の5-8割が1年間支給されます。就労できない場合は最長3年間まで支給されます。支給対象となるのは、退職となるまでの2年間のうち1年以上、雇用保険に加入していた方です。倒産や解雇の場合は退職となるまでの1年間のうち半年間以上加入している必要があります。

支給の申請は、退職して4週間以内に管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行いましょう。職場の発行した「離職票」、「雇用保険被保険者証」、身分証明書、写真、印鑑、預金通帳などが必要になります。

ただし、退職後に傷病手当金を継続受給している方や病状回復していない方は受給できません。失業とは、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」と定義されているためです。したがって、躁うつ病や統合失調症の治療中に受給する場合は、精神障害者福祉手帳または就労可能である内容の「主治医の意見書」が求められます。規定の書式があるため、ハローワークの窓口へお求め下さい。

また、雇用保険を受給すると、離職者を対象の公共職業訓練を受けられます。これは離職者が再就職を速やかに行えるよう、都道府県や独立行政法により、新たな知識や技能を身につけるために設けられたものです。3ヶ月〜1年ほどで、ビジネススキルやホームヘルパーなどを学べるようになっています。

詳しくは、管轄のハローワーク、病院の精神保健福祉士、身近の社会保険労務士へご相談しましょう。速やかな就労と安定した継続を応援しております。

銀座泰明クリニック

「雇用保険」の画像検索結果
2010.11.02 Tuesday 21:07 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

うつ病から復職するには

うつ病で休職し、半年間が経ちました。具合は良くなり復職したいと思います。しかし会社の人事部・産業医からは練習してからと言われました。「職場復帰支援」があるといいますが、どういうところでしょう?(30歳、女性)

休職して具合が良くなったようで何よりですね。復職しようという意欲もご自身から湧いてきているようで、申し分ありません。しかし、復職となるとハードルがありますので、ある程度の助走が必要になります。都道府県には「障害者職業センター」があり、そこで「職場復帰支援サービス」が行われています。通院先、会社の人事部との三者間で、職場復帰支援を行います。

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具体的には、週3-5日ほど通所し、生活リズムの確認、ストレス対処の向上、コミュニケーション技術の練習、オフィスワークの訓練などを行います。その都道府県において同じような状況で休職している方々が集まり、復職へ向け一緒に取り組みます。

ただし、その対象にならない場合もあります。病気が十分改善していない場合はもとより、社会保険に加入されていない方(公務員、自営業、退職者等)、会社が利用を認可しない時、センターから遠距離の場合、サービスが混雑している場合なども相当します。

そこで、今回は一人でもできる職場復帰の練習方法をご紹介しましょう。まずは、規則正しい生活リズムを作ることです。それには生活行動記録表をつけることが有効です。記録をつけること自体が励みになりますし、記録を見直すことで、修正すべき点に気づきます。特に以下の事項にご注目ください。

・早寝早起き
・健康的な食事(低脂肪・高繊維)
・規則正しい服薬
・外出・散歩(日光浴)
・禁酒・禁煙(できれば)

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規則正しい生活、健康的な行動が身に付いたら、通勤・勤務の練習もしてみましょう。はじめは、近所の喫茶店か図書館へ通ってみましょう。できれば、早朝・午前に行き、2−3時間ほど過ごします。コーヒーを飲みながら、新聞や雑誌から読みはじめ、小説や専門書へ段階的にステップアップします。半日(3時間)からお昼休み(2時間)をはさみ、一日(6時間)いられれることが目標です。週2−3日からはじめ、最終的に週5日を目指します。

これらは毎週、少しずつ伸ばし、変えていくことがポイントです。いきなり無理して挑戦しないようにしましょう。ともすると早く良くなりたいと思うあまり、急いでしまいます。以下にプランを例示します。これは2週おきにアップしてもよいですし、調子悪い時にはダウンしても、ストップしても構いません。大事なことはゴール=職場復帰ということを念頭において行うことです。

・第1週:月水金、近所の図書館、半日
・第2週:月〜金、近所の図書館、半日
・第3週:月〜金、近所の図書館、一日
・第4週:月〜金、職場の図書館、一日

近所とは自宅より徒歩で行かれるところ、職場とは電車に乗り通うところという意味と同じです。電車に乗る際はスーツやネクタイをしていくと良いでしょう。特に平日、電車に乗るには会社員へ勤めている方々と同じような服装・行動をしてみることをお勧めします。はじめはラッシュアワーを避けて、空いている時間を選びましょう。最終的には実際の通勤時間を試します。

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移動は徒歩で行うことがお勧めです。地方で自家用車がメインの移動手段になっている方も、できる限り機会をみつけ、歩くよう心掛けて下さい。機序は不明ですが、適度な散歩は精神衛生、脳機能の向上に有効です。古来より哲学者や研究者は歩き回り、思索・思考をまとめてきました。万歩計を購入し、日々の歩数を記録するとなお良いでしょう。どの程度歩くと調子よいか調べることをお勧め致します。

作業に疲れたり飽きたりしたら、会話をしましょう。これも理由は不明ですが、精神衛生に有効です。できれば同じように休んでいる方や、かつて休んでいた方と、悩みを共有されると良いでしょう。問題は解決しなくても、苦しみは半減するものです。会って話せない時は、電話やメール、SNS, Social Network Service を利用しましょう。各種のSNSでは復職コミュニティが立ちあがってします。
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以上、職場復帰の練習方法をご紹介しました。本来は実際の職場で調整を行っていただきたいものですが、職場の安全性、生産性、雰囲気などの理由から、「完全復帰」でなければ受け入れてくれない会社が増えています。そこで、ひとりでも行えるようなプランを提示しました。

急がず焦らず、確実に取り組まれることを応援しています。しかし、残念ながら思うように進まない時は主治医と相談しましょう。病気の症状、生活の環境、人生の方向など巡り、迷いはつきものです。どうぞお大事にして下さい。
2008.05.15 Thursday 19:24 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 

うつ病で休職することになりました

うつ病で休職することになりました。精神科医にゆっくり休むようにと言われましたが、どのように休めばいいのでしょうか?なんかこのまま何もしていないとダメ人間になってしまいそうで心配になります。(28歳、男性)

うつ病で休職することになったとのこと、心よりお見舞い申し上げます。うつ病の治療といいますと、確かに服薬+休養となっています。しかし休養といっても漠然としていて、不安を覚えることでしょう。健康ならば、休んだり遊んだりすることを「普通に」できるのですが、うつ病になるとなかなか「自然に」できないところが病気の症状でもあります。回復するためには「休養」が欠かせませんから、具体的に休養の方法をご説明しましょう。


・朝は早起きする
・食事は規則正しく摂る
・昼寝は15〜30分以内
・自分の部屋でゆっくり過ごす
・特に何もしない
・簡単な日記をつける
・夜は早く寝る
・ご家族は温かく見守る


・朝は早起きする

理想的には、日の出の時間です。人間の身体は太陽の光で一日のリズムが作られます(サーカディアン・リズム)。特に朝日を浴びることで頭も体も目が覚めます。しかし、うつ病になると起床困難を生じるものですから、早起きを「努力目標」としましょう。また寝てしまうしても、一旦、朝早く、目を覚まし朝日を浴びることが重要です。

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・食事は規則正しく摂る
朝食はしっかり摂るに越したことありませんが、どうしても食べられない時は、甘口のコーヒー牛乳などがお勧めです。糖分で血糖が上昇し、ミルクが胃壁を守り、少量のカフェインが目を覚ましてくれます。ヨーグルトドリンクなども用意し、それと朝食後のお薬を飲むと良いでしょう。

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昼食・夕食も12時、18時頃に規則正しく摂りましょう。食欲がなくても、一定の時間にある程度の量を食べることが大事です。食べられず、体重が落ちることで益々、心身が弱ってしまう方が少なくありません。

・昼寝は15〜30分以内
昼寝、午睡は自然現象であり、有用です。しかし時間は30分以内に止めましょう。それ以上、眠ると睡眠が深くなり、2-3時間は眠ってしまいます。そして夜に眠れなくなり、夜更かしして、結果、翌朝、起きられなくなるという悪循環に陥ります。

・自分の部屋でゆっくり過ごす
誰でも自分の部屋が一番、落ち着く場所でしょう。家族に合わせて無理に居間で過ごすことはありません。ましてや、友人や同僚・上司との面会は避けましょう。うつ病になると人に会って話すことが億劫になります。親しい友人や家族でさえもです。このような時は自分の部屋でゆっくり過ごすことがお勧めです。

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・特に何もしない
うつ病の療養は特に何もすることはありません。回復期ならば良いですが、うつ病の極期は何かすると、疲れてしまうだけなのです。例えば、本を読んだり、テレビを見たり、と視覚を使う行為はかなり脳・神経が疲れてしまいますので避けましょう。外出や運動も具合が悪い時は体力を消耗するばかりとなります。

従って、療養当初はとにかくのんびりと、雲の流れを眺めたり、鳥のさえずりを聞いたりする程度が良いでしょう。最近、流行のヒーリングミュージックを流したり、アロマを漂わせたりするのは悪くありませんが、要は、本人が心地良く感じるかどうかです。

ClipArt

尚、「転地療養」は両刃となる可能性があるので、注意が必要です。よく行き慣れた別荘などへ行き、気が休まったという方もいれば、見ず知らずの観光地などへ連れて行かれ、むしろ気疲れしてしまった方もいます。具合が悪い時には遠方に車や電車で異動するだけでも疲れてしまうものです。

更に、親元を離れ、一人暮しをしている青年には、実家に帰り休める方と、親には言いたくないから、心配かけたくないからと、内緒で休んでいる方とがいます。この場合は、その方ごとに背景や事情を考慮しながら検討を致します。

・簡単な日記をつける
一日の終わりに簡単な日記を付けましょう。その日したこと、あったことなど、メモをする程度で結構です。ともすると単調に過ぎてしまう毎日を見直すことができますし、規則正しい生活を送るための動機・計画につながります。

更に一日を午前・午後・夜間などに区切り、◎○△×などの評価をすることも一案です。1週間ごとに振り返りなどをすると、以前よりも○が増えた、×が減ったと気づかれるはずです。なかなか気づかないでしょうが、日々、少しずつ良くなっている変化を確かめ、安心材料にしましょう。以下の「生活行動記録表」が参考になるでしょう。

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・夜は早く寝る
朝早く起きるためにも、夜は早く寝ましょう。どの病院でも病棟では21〜22時に消灯します。夜更かしは昼夜逆転のはじまりですから、とにかく早く寝ましょう。眠れない時には睡眠薬を飲みましょう。現在、流通しているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は安全性が高いですから、安心して服用して下さい。

と言って、全てを薬で解決しようとも思わないで、まずは規則正しい生活や静かな室内環境を保てるよう心がけることを優先しましょう。コーヒーや紅茶などのカフェインを夕方以降に飲まないようにして下さい。更にテレビや音楽などで刺激的な内容の放送は避けましょう。

・ご家族は温かく見守る
ご家族の方々へはご本人を温かく見守っていただけるようお願い致します。ともすると何かしてあげなければならないと、過保護・過干渉になり、結果的に逆効果になってしまいます。話しかけ・声かけも、ご本人の様子・反応を見ながらにしましょう。本人が話したそう、寂しそうにしていればそれに応じてあげる程度です。

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最後に繰り返しますが、うつ病の療養は焦らずゆっくりと休むことが大事です。何かしたから良くなるものではありません。薬を飲み、よく休んで、自然治癒力を十分に賦活させられるよう、心穏やかに過ごすことが一番です。ご家族の方々にはそのための環境整備をしていただきながら、温かく見守っていただけると幸いです。

2008.03.09 Sunday 20:49 | comments(0) | trackbacks(0) | 気分障害(F3) | 
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